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更新日:2019年3月9日
九州も含め、それより北に分布する桑は大きく分けるとログワ系統、カラヤマグワ系統、ヤマグワ系統の3種類に分類できます。
鹿児島県の離島ならびに沖縄県には、これら3系統とは異なる「シマグワ(シマ桑)」という桑が分布しております。
シマ桑は、南西諸島等の亜熱帯地域の自生桑で、知名町内で見られる桑もシマ桑です。葉質が良く休眠せずに年中葉を付け、葉が硬くなるのが遅く、潮風害に強いので知名町全域で栽培が可能です。
桑葉には、以下の食品機能が知られている。内分泌・代謝異常の予防効果として、糖尿病、高脂血症、肥満症に対して有効性が報告される。血圧・血管の病気の予防として、高血圧、動脈硬化、血栓症に対して有効である。便秘改善効果、抗酸化作用、α-グルコシダーゼ阻害作用を示す。
桑葉は、一般野菜に比べクロロフィル、ビタミンCが多い。カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルに富み、とくにカルシウムはいわし丸干しやしらす干しより多く、牛乳の約25倍に相当する量を含む。
抗血糖成分には、ブドウ糖に類似の構造を持つ、1-デオキシノジリマイシン(DNJ)等が知られる。
ビタミンKは、血液中のプロトロンビンなどの血液凝固因子の産生にかかわるビタミンであるが、桑葉の含量は、モロヘイヤ、明日葉、ケールの倍以上である。桑葉は、緑黄野菜(ホウレンソウなど)よりタンパク質、βカロチン、鉄含量が一般的に消費される野菜より多く、亜鉛、カルシウム等が豊富である。
(八並一寿総説:桑葉の食品機能.FOOD FUNCTION,3(2),pp127-139.)より抜粋
本町では、以前に養蚕が行われておりましたが昭和40年代を境に衰退しました。
近年さまざまな研究により、桑の葉は私たちの健康維持に有効な成分を持つことが分かってきております。
本町でも、平成17年頃から大学有識者等による調査が行われその結果について報告会も行われました。
そこで本町では、シマ桑の優れた健康機能性に着目し6次産業化を図り、新たな産業振興や雇用の創出、町民の健康促進を目的に、平成24年度シマ桑を粉末にする「えらぶ特産品加工場」を整備しました。
シマ桑を活用した新たな産業振興を図るため、平成23年度より苗の栽培を開始し、平成24年度より桑畑にて本格的な栽培を開始しました。
平成25年2月には、知名町シマ桑生産組合を発足し安定した生産量確保のための体制を確立させるとともに、有機栽培を目標とした安心・安全な原料の栽培に向け取り組んでおります。
今後も引き続き、栽培面積を増やすためのほ場の確保と、苗の栽培を行います。
生産者により大切に育てられた桑の葉は、加工場に葉っぱのみ持ち込まれ「計量」「洗浄」「裁断」「乾燥・粉砕」等を経て、平均20ミクロンの微粒子粉末として加工されます。
本町では、乾燥と粉砕を同時に行う高性能気流乾燥機を使用しており、処理工程を短くすることで色味がとても鮮やかで、風味もしっかりとし、また、有効成分の減少も少なく高品質な粉末をつくることができます。
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